前回エストロゲン(卵胞ホルモン)の過剰について書きましたが、エストロゲン分泌が高いから過剰になってしまうわけではありません。実はプロゲステロン(黄体ホルモン)とも深く関わっています。
プロゲステロンは、月経前のエストロゲンによる子宮内膜増殖を抑え、受精卵の子宮着床,妊娠持続に働きかけます。また、妊娠しなかった場合、内膜が剥がれて生理として体外に出るようにします。しかし、閉経後は黄体からプロゲステロンがほとんど分泌されなくなり、エストロゲンの過剰を起こしてしまいます。すると子宮内膜の増殖による子宮内膜がんへの進行のリスクをが増加してしまいます。 閉経後は乳がんなどのリスクもエストロゲン過剰で高まりますので、定期的な検診が必要です。
下記の図の説明です。
※ 肥満に伴い脂肪細胞ではアロマターゼや 17β-ヒドロキシステロイド脱水素酵素(17β-HSD)によるアンドロステンジオン(⊿4A)からテストステロン(T)やエストロン(E1)を介した活性型エストロゲン(E2)が産生される.肝臓では,高インスリン血症のために SHBGの合成低下を来たすため,これによっても活性型エストロゲンが上昇する.以上の機序で,子宮内膜上皮の増殖が起こるため,がん化に繋がるものと考える。
Reference
http://www.f.kpu-m.ac.jp/k/jkpum/pdf/124/124-2/sawada02.pdf
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